二輪

バイクのお話をします。


1週間前、月曜日ですねー。
バイクを売り払ってきました。


理由はまあいろいろあるっちゃあります。
兄が何故かこの後に及んで二輪免許撮り始めたりとかワケのわからないことをし始めて
其の練習にウチのバイクを使おうとしたりしたのが、うちの親父が気に入らなかったり。
まあそれはほんの小さな小さなトリガーに過ぎないか。

親父もだいぶ目が悪くって、次の免許の更新いけるかわかんないし。
母親がこんな状態での万が一、ってのはとても怖いですし。
僕ももう4月からいなくなるし、ってことで、とてもさみしいけどお別れしてきました。


恥ずかしい話、僕は父親のバイクにタダノリしていた身分なので、拒否権なんてないのです。
もちろん反対する理由も特に無いっていうか
欲をいえば、最期に1回乗り回したかったなーとか思うんだけどさ。
この程度の気持しか持てないってことは、まあそういうことなのかもしれない。



僕がバイクに乗りたいな、って思ったのは17歳の頃だろうか。
きっかけはとても些細だったかもしれない。バイクに乗るなんて全く考えてなかったんだけど
ネットの友達と深夜に話をしていて、「あ、バイクってカッコイイかも・・・」とか思ったのがきっかけです。



超初期はビックスクーターが欲しかったのです。
今でこそ若者のビックスクーターって、ちょっとヤンチャなイメージがあるんだけど
自然に欲しいと思ったあたり、僕のセンスも大概終わっていたのかもしれないです。


同じく同時期、何気なく友達と話をしていたら、バイク良いよな!みたいな話で盛り上がりました。


しばらくバイクのHPとか巡っていて、欲しいなーって思ったのは
Shadow400っていうHondaのアメリカンのバイクです。
画像(http://www.honda.co.jp/SHADOW/shadow-classic400/images/pht_color_03.jpg )


もーこれがカッコ良く見えて見えて仕方がなかったです。
当時無職少年だった僕は、大学に受かったらこのバイクに乗ってブイブイ言わすんや!!とか思ってましたw
バイクを買うお金とかは全然考えてなかったっていうか、親に借金すりゃいいやとか適当なこと考えてました。

何かそういう、何かを手に入れるための現実的な手段、そういうのを考えずに
いつか何でも手に入る、とか、そんな風に物事を考えていた記憶があります。



時は流れて、僕は受験に失敗して。
その頃は、バイクに乗るとか一瞬頭から消えてしまった記憶がある。

そうしたらですねー。浪人初期、4月だったかな?僕のパパがバイクに乗りたいとか言い出したんですよね。
これはなんかこう、今思うと運命じみてましたね。
親にバイクに乗りたいとか話したこともないし、うちの父はずっと家のことだけを考えてたみたいな人だったので
50過ぎてバイクに乗りたいとか言い出す人ではなかった。
たぶん父親が初めて、何か自分で欲しいと思ったものが生まれた瞬間だったかもしれません。



父の好みも僕と似ていて、アメリカンのバイクが欲しかったみたいです。
実はぎりぎりまで父親が買うバイクの候補にShadowがいたw
微妙にそっちに誘導しよう、しようとしていたんだがなぁ。うまくいかんかったw

結局別のアメリカンのバイクを父親が買ってきて。
それはそれは楽しそうに乗り回してました。


同じく僕の高校の同級生たちも、何故か大学入学を機にバイクに乗り始めて。

その光景を見ている浪人生無職の僕は、内心穏やかではなかったです。
自分は1年間受験をしても、大学もバイクも手に入らなかった。
でも高校の同期はみな推薦とかで、僕の行きたかった大学にスーって入っちゃって(もちろんここに努力があることもわかってます)。
それでみーんな、面白いくらいにバイクに乗り始めちゃうんだもの。



これはなんかなー。人生うまくいかんにゃーって思ってたw
ホントに羨ましかったなぁ。
でももう大学に落ちたショックで、今さら大学に受かっても、親にバイク代借りるなんてことすらおこがましいと思っていたから。
それくらいに、僕はもう親に対して何一つとして、何かを言う気力を失っていたから。
どこかこの頃からバイクから心が遠ざかっていたのも事実です。




それでまあ、何とか大学に受かった後、最初に取ったのは原付試験ですね。
しかも1回落ちたっていう低能ぶりを晒した挙句の原付試験です。
何気に、後々に乗ることになるバイクよりも世界を広げてくれたのは原付なのですが。原付の話はまた今度。



原付の免許取得後、初心運転者期間中に3点の違反を積んでしまって。
その回避手段として、結局1回生の11月、中型免許を取りに行くことにしました。
(原付の初心者講習は、ハガキが来る(講習日かも?)までに中型二輪免許を取ると回避出来るのです)


ようするに、僕はこういう後ろからせっつかれるような何かが無いと、バイクの免許を取りにはいかなかったんです。
あれだけ欲しいと思っていたバイクも、大学受験へのモチベーションの一つに過ぎなかったんですよね。
免許を取っちゃえば父親の乗ってるバイクに乗れるっていっても、やっぱりなんか、僕は動くことはなかった。

僕の中でのバイクなんて本当にそんなものなんですよね。
バイクの免許とっても、僕は大学にはずっと原付で通ってましたし。


やっぱりうまく運転出来ないっていうのが一番でかかったですね。
想像以上に僕は非力で運転センスが無かったので、免許取得にもすごく苦労しましたし。
未だにうまく左折とか出来ないしw



結局後々、うちには3種類のバイクが揃う。



我ながらとんでもない高待遇を手にすることになった。
僕はほんと、大学4年間、暇つぶしにちょいちょい乗り回すくらいしかしなかった。


何よりもやっぱり、怖かったです。素朴にバイクは怖かった。
すり抜けとかもちろんしてないけども、なんていうんでしょうねー。
カーブとかって車体を倒さなきゃいけないんですよね。もうそれがやっぱ怖いんですよね。

もし車体を傾けた途端、ズサァァーーっていっちゃったらどうしようみたいなw



買う前は、こんなバイクがカッコ良いとかいろいろ思っていたんだけど
いざいろんなバイクに乗ってみると、本当にどのバイクも楽しくて、カッコ良いと思うのです。
兄が車の維持費を払ってないことを馬鹿にした手前アレなんだが
4年間、父親のバイクにフリーライドして、たくさんの思い出を作れたことは本当に良い思い出です。


自慢といえば、なんだろう。そこまで乗ったわけじゃないけど、1回も危ないと思ったことも、こけたことも、もちろん事故もありませんでした。
違反も1回も無いですし。ほんとに安全に運転してました。

たぶん大半のバイクユーザーが経験する、車よりも圧倒的にヒョイヒョイ道路を進めるっていうのを
僕はほとんど経験すること無く、車と同じように車線の真ん中にいながら運転してました。

人を後ろに乗せたのは帰れない友人を送って行くのにしゃあなしで、たった一度っきりだったかなぁ。



今でも街中で、ビュンビュン飛ばして軽快に曲がり、シャーーって進んでいくバイクを見ると
アホだなぁと思う反面、あんな風に操れて良いなー、とも思っちゃいます。
僕はあんな風に二輪を操ることが出来ないです。
愚直に直進して、超減速して曲がったりすることしか出来ないw


たぶん僕は結構な確率で、もうバイクに乗ることは無いんだろうな、って思う。
社会人になって、どうしても乗ってみたいなって思ったら、買ってみるかも。


その時は、次は父親に乗せてあげようかなって思いますね。





何気に、僕自身の思い出よりも、うちの父親があんなに夢中になる何かを見たのは
人生で初めてなので、それが少し嬉しかったりしますね。
50過ぎた夫婦が二人でタンデムして日本の遠くに行ったりするのを見るのは
子どもとしては少し愉快だったりします。
何十年も、言葉通り休みなしで家業を守ってきた二人なので、もう今さら仕事がどうとか関係ねーですもん。
平日の昼間に堂々と遊んできたら良いんだから。
だから5年経ったとはいえ、父親がバイクを手放す姿を見るのは少し辛かったな。
父親が何かに夢中になってるのは、本当に人生で初めて見ましたし。
っていうか中型二輪手に入れる前に買ってましたしね・・・
しかも、「いや、別に免許なんか無くても乗れるんやで?こんなもん・・・」とかいいながら
駐車場で乗って思いっきりこけてました。
ここまでお決まりのパターン入ることあるのかって感じで相当ダサかったですね。




僕は基本的に貧弱で弱々しい人間だけど、バイクに乗ってる瞬間だけはこう
恥ずかしい話、「うわー、俺今輝いてるなー・・・」とか思ったもんです。
だって凄まじいスピードで体むき出しにして道路を移動してるんですもの。
僕はもちろんしてないですけど、ちょっとはバイクを爆音仕様にする人の気持ちもわかるってもんです。
本当に楽しいんですよあれは。

いろいろと人には事情があるのでなかなか勧めることは出来ないんだけどさ。
もしか大学生で少しはお金に余裕がある人は、本当にバイクってオススメです。
一人で乗れますからね。
晴れた日に、何の目的もなくバイクを走らせて、どこか知らないところまで行って。
そこでふと行き着いた公園で休憩して。「いやー、遠くまで来たなー(実際知らない街なだけで20キロもいってない)」とか思いながらベンチに座る。
ベンチにはヘルメットとグローブを置き、「あのバイク、俺んだぜ?」と軽くドヤる。
そして缶コーヒーを飲みながら、煙草を一服。
これがもうね、とてもいい。とてもいいんですよ。
景色さえよければどこでもいい。問題はバイクでしか行けない、バイクを乗った自分でしか行かなかったであろう場所へ行くこと。
それだけでもとても世界が広がったような気がするもんです。
そしてそこは、遠くて行きにくい場所であればあるほど、もう二度と見ることはないかもしれない風景なんです。
これだけで、僕は十分でした。

本当に気分が晴れたし、バイクに乗りたいという、あの頃の一つの夢を叶えたような気にもなれましたし。




数年間事故無く遊べたんだから、本当に幸せだったなーと思います。
僕はタダでバイクに乗り回せたんだから本当によかった。これはとても親に感謝してます。
売ったバイクも、良い乗り手の人の元へ行くと良いなと思います。
どれもみんな綺麗なママですからね。


ちなみにですね。僕はやっぱり厨なので、最強の響きに憧れるんですよね。
乗ってみたいバイクがありましてねー。
ブラックバードってバイクがすごく乗ってみたいんですよねー・・・

CBR1100XX SuperBlackbird、通称ブラックバードです。
ファイヤーブレードっていうのもちょっと興味が有るんだけど・・・


やっぱりねー、僕はブラックバードに乗りたいんやなぁ!
http://dixq.net/bike/bike/cbr1100xx.jpg

これです!!
ちょっとごんぶとのダセーとか思っちゃう!?
でもこれがね、これがもうカッコ良いんだよなぁー。
ただいまはもう結構前に生産中止しちゃってるんですよねー。

うちの親父も、ブラックバードとか隼には興味があるっぽくって。
もしいつか僕がバイクに乗る日が来るとしてさ。
買える、ってなったらブラックバード買おうかなー・・・とか思ってるw
でも重いし、僕じゃ乗りこなせないよなーとも思うんですよね。


もっとおとなしく250ccくらいのCBRがもちろん無難に遊べると思うんだけどさ。
あとはビックスクーターに近いのになるんだけど、DN-01ってのも乗ってみたいんだよなぁ・・・
友達が乗ってるから今度1回乗ってみようとも思う。ただオートマみたいなもんだし飽きるかもしれないしなぁ。



いやー。いつか乗ってみたいモンですね。
でもやっぱり、バイクと危険は常にリンクしているものですし。
万が一社会人として使い物にならないうちに、事故って骨折なんてホントシャレにならんですしね。

大学生のうちに乗れて本当によかった。
また乗りたいって思ったら、がんばって乗れるようにお金を稼ぐことです!!