兄上

インターネットをやってれば出会いってあるじゃないですか。

いかがわしい方の出会いじゃないですよ?いやまあ、それもありかもしれんが。


フォロー・フォロワー。@を飛ばしあう関係などなど。そんなのも小さな出会いです。
次のステージは、なんだろう。少し親密になって、スカイプなり他のコンテンツでの近づきなどなど。
そんなのがあるのかもしれない。



昔々、僕が唯一ツイッター上で、ツイッター以外の場所で出会った男。T田。僕が散々書いている人だから聞いたこと位あると思うけど。
彼と僕の共通の思い出に、一人の兄貴的男がいた。仮名鈴木さんとしよう。


鈴木さんは一番よくしゃべってた当時で25,6くらいだから、今ではもう32,3?
もう4,5年、何の連絡もない。生きてるのか死んでるのかもわからない。


僕とT田がいたコミュニティには他の人もいたが
僕らが結構慕っていた鈴木さんは、その中でも思い出深い人だった。
当時のT田は浪人生。僕は中卒。
そんな僕らに対しても、鈴木さんは特に何か言うわけでもなく、ただのんびり面白い話をしてくれる人だった。
鈴木さんのことはもちろん今でも慕っているし、いつか会ってきちんと謝罪とお礼くらいはしたいと思っている。


アレな言い方をすると、あの頃の俺達は若かった。修二と彰的存在だった俺達だった。ネットじゃ負け知らずだった。
あまりにも若すぎた二人の少年を目にして、普通なら上から目線でクソガキと一蹴するはずだが。
鈴木さんは普通に話をして、普通に僕らの話を聞いてくれていた。
アレが何よりもありがたかったのだなぁ。

特に大人独特の苦労話をするわけでもなく、僕らの目線で話をしてくれた人だった。
あの頃から思えば僕達二人は大人になった。本当にそう思う。
僕は別に今が凄いわけでもないけど、当時は今の俺を100とすると2か3くらいの、本当にどうしようもないうんこだったし
今よりももっと面白くないヤツだったと思う。


当時の悩める若者代表であった僕ら二人には
ああいう、何か言うわけでもなく、ただ話を聞いてくれて、「それはいいねぇ」「あーそれはそうかもねー」とか言ってくれる人が必要だったんだと思う。

時々小難しい、カオス理論がどうたらとか教えてくれた。
それを聞いて俺達二人は、「おぉー、鈴木さん流石だなぁ!」とか言ってたんだけど
後から知った話、鈴木さんは僕らに良い顔をするために、事前にググりまくったりとかしてたらしい。




若い子を目にしたときに語れることって、経験以外のものはおおよそ排除されるじゃないですか。

例えば学校を辞めるか辞めないのかの境地に立っている人がいたとき
学校を辞めて楽しく生きてる人は「やめちゃいなYO」って言う人が多いだろうし
辞めても何とかなった人は、なんとかなる方法を示すだろうし。
辞めて辛い思いをした人は、辞めない方向で話をすすめるしさ。
辞めたこと無い人は、辞めろとは言わんでしょう。

大体何でも経験に基づいた話でしか語ることは出来ないし
それを経験したことがない若者は、経験で語られても「ふーん」としか思わないんじゃなかろうか。
リアリティがないというか。

大体こう、うっせー大人の人が若者に何か言ってるのを見ても
悩んでる若者の悩みなんて何一つ解決せずに、意見を言った大人の人が精神的に満足を得る、そんな終わり方が多い気がします。



若い頃、本気で進路に悩むことなんて、よほど意識の高い人以外、そうそうないんじゃなかろうかと思う。
おおよそ社会的に正しいとされてる道(偏差値の高い大学に行くこと)
あるいは、自分がやりたいと思ってる道(働くなり、専門で腕を磨くなり)
のどっちかを大体選ぶんじゃないかな。選べる立場にいるなら、ね。


だからあんまり若者は大人の話なんて聞かなくていいと思うんですよね。
どうせ聞くつもりなんて無くっても、そこら中から世話好きなうっせー大人が
つまんねー正論をホイホイ口出ししてくるじゃないですか。

だからわざわざ意見を聞く必要なんてない。


そんな中で、ただ話を聞いてくれる年上の人って、僕はいいなーって思うんですよね。
それも少し、自分と同じ臭いのする人間がいい。
自分がこのまま生きたら、この人と同じ臭いを出す人間になってしまいそうな人。
そういう人からの意見なら、少しは耳に入るんじゃないでしょうか。




その点鈴木さんは似た臭いがあった気がしますね。
たぶん僕らはもう二度と鈴木さんと言葉を交わす日は来ないんだろうと思います。
一生会えることはないし、一生今の鈴木さんを知ることはないのだろう。



僕がたまに年下の子に絡んでは、悩める若者話を、うんうん、とかいって聞いたりしてるのは
たぶん鈴木さんを多少なりとも意識しているからだと思う。
いや、意識はしてないかもしれないけど、自分がしてもらったからしてるだけかもしれない。
鈴木さんはその時の僕の境遇を全部知った上で、あっけらかんと「ああ、平気だよ平気」って言ってくれたんですよね。
別に神格化するのもあれだけど、そういう台詞が、僕がそれから受験とかする上での行動原理の心の担保になっていたというのも事実で。



っていうか、実際ほんとに平気だったんですよ。
大人の人達がみんな、お前の人生飛んだなとかいう割には、別に全然飛んでねーわけですよ。
それくらい大人たちのほとんどは嘘つきだってことですよ(笑)




僕ももっと若い子に慕われたいんだけど、全然慕われる気配とかなくって。
できたらちょっと、面白そうな悩める若い子とかを囲ってustやって、真剣10代しゃべり場的なのやりたいんですけど全然いないんですよね。

中卒の子とかいたら、超マッハでフォロー返して影で見守ってるんだけど、すぐにつまんねーヤツだなと思われてリムられたりするんですよ。
それが今の自分でしか無いんだなぁとか思うんだけどホント辛い。もっと慕ってほしい。
人生相談とかして欲しい。でも絶対されねーよな。俺に人生相談しても絶対俺より上にいかねーもん。
相談されてる姿を見るのは、いつの世もつまんねー真面目なヤツだよ畜生。俺もそっち側行きたい。ホント悔しい。