情報

個人情報っていろいろあるじゃないですか。
顔、名前、住所、会社名、電話番号なんかは効力でかいですよね。
おおかたの住んでる場所、大学名なんかも守るべき情報かもしれないです。
他には年齢、性別、家族構成、身分などなど。


個人情報にも個人を識別可能なレベルは大きく隠されますが、複合すれば識別出来そうなものは結構軽視されがちですよね。

例えば僕だって、今までのツイッターの情報を全部複合させて照らし合わせれば
恐らく同じ情報を持つ人間はこの世に二人といなくなるはずです。


そしてさらに、僕は個人情報には人格・思想も含まれていると勝手に定義付けてます。
個人情報には特定可能なもの、識別可能なもの、の二種類が存在しているという考えです。


僕が今、「ラーメン食べたいなぁ」と思ってそれをポストしたとするじゃないですか。
全国1億2000万。たぶん同時に思ってる人が数十万人はいるはずです。
もちろん同時と行っても、その「ラーメン食べたいなー」とか思った、ポストしたその刹那の瞬間だけを切り取ったら
ほぼ1人に近いんじゃないでしょうか。


ラーメン食べたいなぁと思った同じ時間、ラーメン食べたいなぁと思ってる人の中で
男で、大学4回で、京都で、ネットが好きで・・・なんて感じで情報をどんどん複合させていけば
ラーメン食べたいってポストだけで、僕はかなりのレベルまで限定された存在になっちゃうわけじゃないですか。
(それ以前の段階でもかなり絞られてるけど)


でも特定出来るコアな情報がない限りは、現実的には特定するのは難しい。
っていうか、名前一つだけじゃ特定しようにも、興信所なり何かを動かす必要がある。
それになにより、特定してやろうっていう思いがないと、特定はされない。


以上が勝手な僕の個人情報観なんだけど
何をネットに放出して何を隠すかって、結局個人の裁量に任されているじゃないですか。


リアルの人格の僕は、ネットとリアルが交差することを極めて恐れているので
リアルの方にはほとんどネットで何をしてるかとかは教えてません。Twitterやってることすら最近話したレベルです。
それは僕がリアル世界ではある程度自分の人格に尊厳を持っているからで、隠すべきことは隠して、綺麗な自分を演じているからなんですね。
自分のツイッターのアカウントが汚いから、ってのは言うまでもない。



同様に、僕はネットの方にもリアルの自分を出したくない。
たぶんツイッターだけなら僕は大学名なんかはバレていない自信があるし
仕事内容(営業だとか事務だとか)も、今の段階ではだしていない。
僕はネットでもキャラ作りに勤しんでしまっている。

言ってもわりかし素直にポストしてるんだけどさー。
例えば僕が普通にスーパーリア充で、サークルの運営を任されていたリーダーシップあふれる学生で
普通に彼女とかいて、京大卒財務省内定のクソ野郎だったらうぜーじゃないですか。
ネットやんなって感じじゃないっすか。


自分のリアルが大したことがないっていうことは自分自身が思うところではあるんだけど
逆に本気で大したことないところとか、矮小な自己を表出させるようなことをポストしたとしたら
それはそれで惨めだよなーとも思うんですよね。

例えば僕はよくわからないFランの学生だったとしたら、そこから僕の存在が縮み上がって行くっていうのは
ある程度避けられない話だと勝手に思ってます。
怒りや、ネガティブなポストの背景に対して「コンプレックスがある」とかいろいろな推察が出来る。というか、する人は多いじゃないですか。

そして自分自身の今に満足してないのも事実だけど、それがまた贅沢な話に転じることもあるわけじゃないですか。
何だかんだで大学に行かせてもらって、就職先も何とか見つかったっていう状況でグダグダ言うやつ人は
大学に行ってない人や、まだ就活してる人から見たらうぜーことだろう。



また一件無関係な情報でもキャラは付与されるといいますか。
関西人は嫌い、東京人は嫌い、とか。住んでる場所だけでも相手の印象をある程度変える力はあります。
職種にも、性別にも、明かすことで特に意図してない効果を相手に与えることはある。
僕だって、ただ"コンサル"ってだけでアカウントはフォローしないし。


学生だ、って身分を明かしてしまっては、社会人ってだけで偉そうにしてるアホな人が
「学生風情が云々」とか言ってくる可能性あるじゃないですか。
無職だって明かせば、何か不満をポストしたら「無職の癖に」となることはごくごく自然な流れですよね。
でもたくさんいるじゃないですか。大人として大した事ないのに、人生の先輩面するクソヤローが。

大体駄目人間がネットしてるなんて当たり前な光景じゃないですかw
そういう人が面白いからネットは今も生きている。
陽の目の当たらない人間が、人の目に触れる場所に出てこれるから、インターネットなんだと。

見る側には、リムーブという絶対的な力があるわけで。
これはもう掲示板を、みたくないなら見るな、なんてレベルじゃない。
とんでもなく強力なものですよ。
これを行使する前に、ただ不快とか気に入らないなんてレベルで相手に食って掛かるなんて、とんでもないぞと。

ただこれが、もうちょっと深くつながっちゃうともうアウトなんですよねー。
そこには人と人のしがらみが発生しちゃうし。
だからskypeとかオフ会とか、やらねーほうがいいよなーとか思っちゃいますよ。
結局やっちゃってるからさー。


ここ数年で、僕が目にする、僕が好きなインターネットのコンテンツはずいぶんと面倒くさいものになった。
普段からはちゃめちゃに目立ちまくっている人達が、インターネットでも容易に目立つことが出来る。
これは由々しき事態である。

散々「リムりたければリムれ」と言った手前アレだが
やはりうじうじしたコンテンツを探し求めて生きる身としては、現状のインターネットは息苦しいと思わざるを得ない。
有能な人間が俺の目の前に跋扈し、あまつさえその有能ぶりを臆すること無く表明する。
気がつけば俺のTLはリア充、パコメン、高学歴で溢れかえり、おとなしい人は肩身の狭い思いをしている。
何ということだと。俺のTLに、何故お前たちがいるんだ、と思うわけだ。
でもその人達はその人達で見ていて面白いわけだ。
ようするに不快感とかとは全く別の位置で、個人的なネットの未来を案じる身として、この今の有能溢れかえるインターネットに恐怖をいだいている。


もっとジメジメしろ、もっとイジイジ、もっとウジウジ、もっとドロドロしたポストを・・・!と思うわけである。
インターネットのメインストリームが、匿名から顕名へと移行した弊害であると僕は思う。
事実僕も、もっとウジウジしたいのに、何か出来ない感じが自分のTLから漂い始めて辟易している。
ウジウジしたポストは、共感出来る。そのウジウジ、あるあるー!とか思うわけで。



人と深くつながりあうのも問題ですね。ツイッターでみせていない情報を見せるってのは、良くない。うん。
僕はインターネットは個人情報を切り売りするものだと思ってます。
リアルの自分がもってないものは、ネットじゃ出せませんから。
自分がこれだ、これだ、と思うものを切り取って、ネットに放出するんですから。


僕の場合は、リアルが充実していれば、ネットに用事は無いのだから。