其二

昨日夜中にチャリで散歩をしてました。


目的地は、京都駅。


京都駅、行ったことある人結構いますよね。
でも夜中の京都駅に行ったことがある人ってどれくらいいるでしょう。
たぶんこの読者の中では僕だけだと思うですけど。


どこでもそうなのかもしれないのだけれど、深夜の京都駅は昼間とはガラっと世界観を変えます。
そこら中に人が寝てるんですよね。
それは早朝の電車を待つ観光客ではなく、ホームレスの人達です。

昨日の夜中が結構あったかかったってのもあるんだけど、それでももう夜は寒い。
でも京都駅の中は明かりもついていて、雨風も凌げて。


夜中の京都駅は、ホームレスの人達の寝床になっています。
京都は結構ホームレスの人が多い?とか勝手に思ってるんだけど
そういうのもあってか。




高校を辞めるだの辞めないだの。
そんな話になっていた頃、時期的には12月の末くらいですかね。

親といろいろもめていたんだけど
「お前はもう一生学生にはなれないし、ならせない。だから働け、でもお前に働く能力は無い。
お前と同い年くらいの人達で働いてる人がどんなことをしてるか見てこい」

簡略化するとこんな理由から
僕は夜中に働いてる人を見るがために、夜中に強制的に外に出されることになりました。
うちの父親の下した変な決断?結果的には意味は大きかったし、今思うとまあ、妙案だったようにも思います。


まごう事無きクズであった僕は、夜中に働いてる人見とかめんどくせーし意味わかんねーよなーとか思いながら
ふらふら外をふらつくんですけど。

何か夜中に開いてるレンタルビデオ屋さんで店内をうろうろしてみたりとか。
コンビニでコミック立ち読みしたりとかして時間を潰せども
これが毎日となるとそうもいかない。


コンビニでも最後のほうは立ち読みしすぎて入店拒否られるという妙なことになっていたw



いろんなところをチャリでコキコキしていたけど、いずれ行く場所も無くなって。
当時の僕は自転車しか交通手段が無いですから。



何かこううろうろした末に、中心部に行き着くんですよね。
寒いし。せめて明るいあったかいところで、いても邪魔にならなそうなところで時間を潰そうって思った末に
何となく僕も、ホームレスの人達と同じく京都駅に行き着いたんですよね。


本当に当時は、何か何も思わずに京都駅にたまたま行き着いて、たまたま何か明るいしってことで
ぼーっとしていたけれど・・・

あれは偶然ではなく、生存本能みたいなもんから来るんだろうなーと今は思いますね。
確かに京都駅ほど良い場所はない。広いし、邪魔にもならないし。店のシャッターの下から暖かい風が流れこむ。そこに堂々と寝っ転がれる。
4時くらいになると徐々に旅行者の人達が来始めるから、起きて見られぬように移動して。

そこでぼーっとしながら、ああ、ついに僕もこういう人達と同じところまで来たのか・・・とか思ってはいたのだけれど
それもやっぱり甘ちゃんなんですよね。だって僕には帰る家があるんだもの。



早朝に帰宅して「夜中働いてる人はすげーなー」とか言ってりゃ、別にその場はごまかしてまた擬態できますからね。
親が見せたいものは別にこれじゃなかったんだろうけど、ある意味これは強烈なブレーキにもなった。

学校をやめたら、名実ともに無職。
親に追い出されれば僕はこうなるんだろうなーって何となく見てて思いました。
結局まあそうなっちゃうんだけど。

同様に自分が若いゆえに時間があることや、帰る家もあるし、学校に行きたいっていえば行けるだけの環境もお金もありーので。
贅沢な身分なのだろうなーということはなんとなーく学びました。
こんなことしなきゃ学ばない自分も自分なんですけど。


それからも大学受験の終了から合格発表の前とか
どうしようもなく行き詰まった時とかは、夜中にふらふら出かけて、あの時座ってた場所に座っていろいろと思い出して
自分に酔うというのが恒例行事になってます。





夜中の世界は面白い。でも一人じゃ寂しいだけですよね。

たぶん親がもっとも僕にブチギレしてた時期の話です。当たり前だけどw
此頃から僕の転落人生は本格的にスタートしていくんだなーとか振り返ると思います。





京都駅の他にも、いくつか僕のお気に入りの、夜中に時間をつぶす場所スポットはある。
でもやっぱり夜中の京都駅が一番好きです。


昨日もいろいろと考えることがあったので、懐かしがてら行ってました。
あの頃に比べれば今は途方も無いほどに未来がひらけているのに、それでもやっぱり悩んじゃうんですよね。
今思っている不安も、あの頃の不安に比べればどれほど楽なものかと思います。


今の不安は、経験したことがないことに対する漠然とした恐怖心。
それでも別に、死ぬもんでもなければ、むしろあの頃に描いていた、大人になっていくことの最もたる道なんだから
悩む必要は無いのかもしれないですけどね。

昨日は悩むというより、懐かしさに胸踊らせてました。


あの頃16歳。今は23歳。3,4年前のことのように思えるんだけど、気づけば7年もたっていた。
あれからずいぶんといろんなことを経験したけれど、やっとここまで来たんだなって思います。
気づけばあの頃夢見ていた大学も、もはや卒業間近。

あの頃は思ってもいなかった社会人目前。


7年後には何してるんでしょうね。30歳になった頃。
その頃には今よりもっと安定してれば良いなーとか思うんだけどなぁ。


いつの日か、いろいろ隠してる情報とか全部ぶちまけられるほど僕に人間的な余裕ができたらいいなーとか思いました。