輪廻
彼女と日々メールのやり取りをしている。
そんなやりとりの最中、彼女の中で僕がある程度の比重を占めてきていることを感じる。
そう遠くない未来、彼女と結婚することになる気がする。
今までの人生が全て反転していくのを感じる。
ここ数年とても嫌なことが多かった。
そんな嫌なことが全て巻き込まれて、今に吸収されていくのを感じる。
正直舞い上がっているといえば舞い上がっているが
今は今として受け止めている。
まあありのままの状態がこういう状態なのだろうと。
世界でここにしか書けない感情があるので書いてみるが
彼女のことを思って幸せを感じれば感じるほど
前の彼女のことを考えてしまう。
彼女はたくさんの楔を打ち込んでいった。
きっと僕がしあわせになろうと不幸になろうと、彼女の人生には何の影響も及ぼすことはない。
どうして前の彼女には、する気にもなれなかったことや、言う気にもなれなかった言葉が
今の彼女にあっさり言えてしまうのだろうと考えてしまう。
前の彼女に対してあることは、きっと罪悪感以上でも以下でもないのだろう。
後悔や、恋愛感情というものは、ほんの僅かすらも無い。
ただあるのは、罪悪感という身勝手な感情のみだ。
今の彼女にある感情も、純粋な恋愛感情でないことも思っている。
愛おしいし、愛らしい。
でもそこには複雑な感情もある。
彼女と結婚すれば地元に返してもらえることや、また同じ職場結婚というのは仕事をする上で面倒だなぁという感情もある。
部屋の片付けが苦手だったり、寂しがりという面もあったりする。
そういった感情が、今は彼女が好きだという感情で上書きされている。
罪悪感というのはタチが悪い。
こういうものは、多分一生消えない。
消えることはないんだろう。だから一生忘れることはないんだろうと思う。
整理しておかなければいけないのは、前の彼女に対してある何かを今に持ち込んではいけないということだ。
前の彼女を幸せにできなかった、だから今の彼女を幸せにしようとか
そういう感情を持ってはならない。
それは結局、過去の慰めに今を利用しているだけになる。
それはきっと、誠意のない、同じことの繰り返しを招くだけの気がする。
そしてまた、過去に対してできることも、もはやないと割り切ることしかない。
幸せにいてほしいと願っても仕方がないし、悔やんでも仕方がない。
してやれることはもうないと思って、離れた。
だからできることはもう、無い。
あるとすれば、忘れることか、忘れないことかの二択しかない。
そして今のところ、忘れないことを選択している。